【聖地巡礼】アニメ「orange」の風景に会いに行く（長野県松本市）

2012年から別冊マーガレットで連載が開始された『orange』（高野苺先生原作）。2016年にアニメ放送された作品です。高校生菜穂の元に同級生の自殺という「後悔」に苛まれている10年後の自分から手紙が届き、未来を変えるために行動していく様を描いたSF青春ラブストーリー^[となっています。

今回は、作品の舞台となっている長野県松本市へ聖地巡礼してきましたので、その様子をご紹介させていただきます。

orangeの舞台

『orange』の舞台は、長野県松本市です。菜穂達が通う高校を始め、作中に登場する場所の多くは松本市内中心部（JR松本駅）にあります。原作者の高野 苺先生は長野県ご出身で、現在松本市にお住いみたいです。

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2024.03.03

聖地マップ

いざ！長野県松本市へ

①松本駅周辺エリア

まずは、JR松本駅まで特急「あずさ」で向かいます。
松本駅には松本城への玄関口「お城口」と北アルプスの眺めが美しい「アルプス口」の2つの入り口があります。 orangeの聖地があるのは、「お城口」の方となります。

１．JR松本駅前

お城口にある広場は、2012年に改修され花壇や樹木があるきれいな広場に整備されたようです。広場にはヒノキ材が使われたウッドデッキがお洒落ですね。ほのかにヒノキの良い香りが漂っていました。

こちらは、広場の「深志の湧水」の隣にある「播隆上人像（バンリュウショウニンゾウ）」です。江戸時代の後期に北アルプスの高峰・槍ヶ岳を開山したことで有名な方のようです。

アニメでの登場シーン

松本駅前は、Letter01冒頭の街のカットとして登場しています。また、Letter04で翔と上田先輩が駅近くの喫茶店でデートしているシーンでも使われています。4枚目のカットは、駅前のマクドナルドの2階から撮影しました。

引用元：アニメ「orange」
©高野苺・双葉社／orange製作委員会

２．花時計公園

松本駅お城口から徒歩10分ほどの場所にある中央西公園（花時計公園）です。松本パルコのすぐとなりにあります。買い物客等の休息、イベントなど交流の拠点となる機能を持った公園となっています。公園の愛称は、全国から公募を行い「花いっぱい運動」の発祥地である松本市と、近隣の時計博物館を連想し、「花時計公園」という名前が付けられたそうです。

アニメでの登場シーン

作中では、Letter01冒頭の街のカットとして登場している他、Letter04で菜穂達が松本パルコで水着を見ていた後に、みんなで遊んでいた場所として登場しています。

引用元：アニメ「orange」
©高野苺・双葉社／orange製作委員会

３．深志神社

JR松本駅からあたがの森公園方向に進んだ場所にある鎮座している「深志神社（ふかしじんじゃ）」です。暦応2年（1339年）に建造された神社には、武の神である”諏訪明神”と学問の神である”菅原道真（天神）”が祀られています。

大通りから住宅街に少し入った場所にあります。

正門（西）を抜けると神楽殿が正面に現れます。江戸時代前期寛文12年（1672）に建立されたそうで、深志神社に現存する最古の建物にも関わらず優美な姿で残っていました。

拝殿は、江戸中期の営繕とされており平成14年に改修されました。鮮やかな朱色に目が奪われます。受験シーズンには合格祈願で訪れる受験生が後を絶ちません。

こちらは、学問の神様といわれる「菅原道真（天神）」の御像です。十一歳の菅原道真公が初めて漢詩を詠む場面とされています。

アニメでの登場シーン

作中では、Letter11で二年参りに訪れた神社として登場しています。菜穂の未来からの手紙には、翔と喧嘩してしまったことが書いてありましたが、回避することはできませんでした。

引用元：引用元：アニメ「orange」
©高野苺・双葉社／orange製作委員会

②商店街エリア

４．中町通り

城下町のような土蔵造りの建物が並んでいる中町通りです。江戸・明治の火災から守るたに、漆喰で作られた“なまこ壁の土蔵”が今も数多く残っている商店街です。

通りの商店街には、民芸品店や和食・そば・イタリアン等の飲食店、八百屋さん等、さまざまな年代の方が楽しめる店で並んでいます。 

こちらが、中町通りのシンボル.となっている「中町・蔵シック館」です。

もとは、造り酒屋の母屋でしたが土蔵と離れの3棟を現地に移築し、平成8年に松本市の施設として開業されました。母屋と離れはギャラリー・イベント・会議などに利用されていて、喫茶店も併設されています。

アニメでの登場シーン

作中では、Letter11で学校帰りに蔵シック館の訪れているシーンで登場しています。菜穂と翔がクリスマスに2人で会う約束をした場所です。

引用元：引用元：アニメ「orange」
©高野苺・双葉社／orange製作委員会

５．ナワテ通り

なわて通りは、松本駅から歩いて10分のところにある女鳥羽川沿いにある商店街です。
「縄のように長い土手」から「縄手（なわて）」と呼ばれています。

2001年に長屋のような店舗が並ぶようになり、お洒落で近代的なお店が並ぶようにありました。

通りのすぐ裏手には、女鳥羽川が流れています。美ヶ原の稜線の北はずれにある武石峰直下付近に源流があるようですね。美しい川ですが、近年は、アレチウリ（ウリ科の植物）が大量に発生していて生態系を壊しています。

なわて通りには、いたるところに「カエルの像」があり、商店街ではカエルグッズを取り扱う店も多いです。

その昔、女鳥羽川には清流にしか生息しない「カジカガエル」がたくさんいましたが現在はその姿を消しています。また「カジカガエル」に戻ってきてほしいという願いと町おこしをかけて、「カエルの街」となった歴史があるようです。そして、カエルの聖地ともなっている「なわて通り」では、毎年「松本かえるまつり」が開催され、全国からカエル愛好家が集います。

期間中はカエル一色に通りが染まりますので、ぜひ見てみたいですね。

アニメでの登場シーン

作中ではLETTER06で、夏まつり「松本ぼんぼん」のシーンで登場しています。

引用元：引用元：アニメ「orange」
©高野苺・双葉社／orange製作委員会

６．四柱神社

なわて通り沿いにある鎮座する「四柱神社」です。
四柱神社には、四柱の神様が祀られていて「すべての願いを叶える《願いごとむすびの神》」として日本でも屈指のパワースポットになっています。

【祀られている四柱の神】

１）天之御中主神（あまのみなかぬしのかみ）
「宇宙の根源を司る神様」
　古事記の神々のなかで最初に出現し、天空を主宰している神様。

２）高皇産霊神（たかみむすびのかみ）
　「物事を結ぶ神様」
　天地が初めて出現した時、天之御中主神（あまのみなかぬしのかみ）についで、
　神産巣日神（かみむすひのかみ）とともに現われた造化三神の一つ。

３）神皇産霊神（かみむすびのかみ）
　「人を結ぶ神様」
　別天神(ことあまつかみ)の一神で，天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)，
　高皇産霊尊(たかみむすひのみこと)とともに造化三神をなす

　天地が初めて出現した時、天之御中主神（あまのみなかぬしのかみ）についで、
　高皇産霊神（たかみむすびのかみ）とともに現われた。

４）天照大神（あまてらすおおみかみ）
　「縁を結ぶ神様」
　伊勢神宮に祀られるいる日本で最も重要な神様のひとつ。
　あらゆる願いを聞き届けるとし、所願成就の神様として知られる。

なわて通り沿いに重厚な雰囲気の鳥居を構えます。

まずは、手水舎で清めてから参拝に向かいましょう。

社殿は明治12年に火災により焼失したため、大正13年に再建されたものです。

アニメでの登場シーン

作中のLETTER06では、夏まつり「松本ぼんぼん」の時に菜穂と翔がお参りをした神社となっています。

引用元：引用元：アニメ「orange」
©高野苺・双葉社／orange製作委員会

③あがたの森公園エリア

７．あがたの森公園交差点

あがたの森公園の入り口の前にある「あがたの森公園交差点」です。

アニメでの登場シーン

Letter01冒頭の街のカットとして登場している他、Letter01で「あがたの森公園」から帰るシーンで登場しています。

引用元：引用元：アニメ「orange」
©高野苺・双葉社／orange製作委員会

８．あがたの森公園

松本市の中心部にある都市公園「あがたの森公園」です。ヒマラヤ杉やケヤキに囲まれた公園には、日本庭園風の池や、芝生広場があり松本市民の憩いの場となっています。そして、園内には重要文化財に指定された「旧制松本高校校舎本館」があり、現在は、「あがたの森文化会館」と「あがたの森図書館」として活用されています。

公園内は自然な多く松本に住む方の憩いの場となっています。

こちらは、「あがたの森文化会館」のすぐ隣にあるベンチです。菜穂と翔が座って話していたベンチのモデルとなっている場所ですね。

公園の中央に位置する場所に、日本庭園をイメージしたような池が見えてきます。

池の中央にはベンチのある四阿があり、休憩所となっていました。近隣住民のお散歩コースとなっているようです。なお、四阿で寝泊りする人がいたのが原因かわかりませんが、防犯カメラが設置されていました。

アニメでの登場シーン

Letter01で学校帰りに6人が立ち寄っていたり、菜穂と翔がベンチで話うシーンで登場しています。

引用元：引用元：アニメ「orange」
©高野苺・双葉社／orange製作委員会

９．松商学園高等学校

菜穂達が通っている学校のモデルとなっている「松商学園高等学校」です。あがたの森公園のすぐ隣に位置しています。

県内では有数の伝統校であり、「本館・講堂・柔剣道場」は、平成23年に国の登録有形文化財に登録されています。

また、ドラマや映画の舞台として使われたことがあり、1996年に放送されたドラマ「白線流し」では、主人公たちが通う「松本北高校」として登場しています。

アニメでの登場シーン

作中では、菜穂達の通う高校のモデルとして登場しています。高校前の通りも建物がなくなった入りしていますが、そのままです。

引用元：引用元：アニメ「orange」
©高野苺・双葉社／orange製作委員会

１０．薄川沿い通り

「松商学園高等学校」の裏手にある薄川沿いの通りです。

アニメでの登場シーン

作中では、松商学園高等学校のグランドの横の土手の部分にタイムカプセルを埋めた場所となっています。

引用元：引用元：アニメ「orange」
©高野苺・双葉社／orange製作委員会

１１．見晴橋

「松商学園高等学校」の裏を流れる薄川にかかる橋「見晴橋（みはらしはし）」です。歩行者と自転車専用の橋となっています。見晴橋は、「orange」のキービジュアルとしても登場しています。また、1996年の放送されたドラマ「白線流し」の白線を流すシーンや、2011年公開映画「岳」でもロケ地として使われている有名な橋です。

見晴橋のたもとのには、道祖神が彫られています。

綺麗に整備された橋で、近所の散策コースとなっているようです。

橋の上からは、上流に美ケ原、下流には北アルプスの山々を眺めることができます。

アニメでの登場シーン

作中ではLetter01で、あずさのお父さんが作ったパンを食べていた場所です。キービジュアルでも登場しているため「orange」を象徴する場所となっています。

引用元：引用元：アニメ「orange」
©高野苺・双葉社／orange製作委員会

④松本城エリア

１２．松本城

日本の城の中で国宝に指定されている城が５つあります。その「国宝5城」の１つに数えられる「国宝松本城」です。

松本城内を見学するには、大人一人７００円かかりますよ。

松本城は、1504年（永正元年）に造られた深志城が始まりとされ、1582年（天正10年）小笠原貞慶（おがさわらさだよし）により、深志城から松本城へと改名されました。その後、1590年（天正18年）に徳川家康の重臣だった石川数正が入城し、子の石川康長と共に松本城天守を造りました。

松本城の外観です。背景には北アルプスの山々が連なっていて、とても美しいですね。

アニメでの登場シーン

作中ではLetter06の夏祭り「松本ぼんぼん」でライトアップされた松本城を眺めるシーンで登場しています。

引用元：引用元：アニメ「orange」
©高野苺・双葉社／orange製作委員会

１３．旧開智学校

松本城のすぐ近くにある、「旧開智学校」です。
旧開智学校は、明治6年(1873年)に筑摩県筑摩郡南深志町一番町(現在の松本市中央2丁目)に開校され昭和38年(1963年)3月までの90年間続きました。同年に女鳥羽川の河川工事や近隣小学校の統合や環境保護ほかの事由により、昭和39年8月31日に現在の位置に移築復元されました。1961年から国の重要文化財として指定され令和元年（2019年）には、近代の学校建築として国宝に指定されました。

旧開智学校校舎は、現在教育博物館として一般公開されています。

　
残念ながら、旧開智学校校舎は耐震工事のため休館中でした。
（訪れたのは2023年12月末）

外観から眺めるしかできませんでしたが、堂々とした建築物で当時の授業内容を今に伝える、文化・歴史的価値のある建物です。

アニメでの登場シーン

作中では、松本市の街のカットとして一瞬登場しています。

（改装中だったため、アニメと同じカットでは撮影できませんでした。。。）

引用元：引用元：アニメ「orange」
©高野苺・双葉社／orange製作委員会

１４．松本市中央図書館

「旧開智学校」のすぐ隣にある「松本市中央図書館」です。松本市内で最大の図書館となっていてガラス張りできれいな外観です。

図書館の隣には川が流れており、自然が多いです。

アニメでの登場シーン

LETTER05で菜穂と翔が勉強していた図書館として登場しています。

引用元：引用元：アニメ「orange」
©高野苺・双葉社／orange製作委員会

⑤城山公園エリア

１５．城山公園

松本市中心部の北西の場所にある「城山公園（じょうやまこうえん）」です。

城山公園は、白樺などの緑が立ち並ぶ自然が多く公園で江戸時代末期の天保14年（1843年）に、藩主戸田光庸（みつつね）が桜や楓を植樹して一般庶民にも開放したのが始まりとされます。

　
城山公園と言えば、円柱型の展望台が有名です。

　
展望台の中央に螺旋階段あるので、ここから登ります。

　
展望台からは松本市街とアルプスの山々が一望出来ます。

360度のパノラマは絶景です。
夜と昼では景色の見え方が違うので両方見てみたいですね。デートスポットにもなっています。

公園の下にあるベンチです。ここは、菜穂と須和が未来からの手紙について相談するシーンで登場しています。城山公園は高台にあるため、歩くと大変ですが春は桜並木がきれいなので松本に来たら一度は立ち寄りたい場所ですね。

アニメでの登場シーン

Letter05では、展望台に菜穂と翔が登って風景を眺めていました。公園の入り口にあるベンチは、須和と菜穂が話をしているシーンで登場しています。菜穂の自宅もこの辺りにある設定となっています。

引用元：引用元：アニメ「orange」
©高野苺・双葉社／orange製作委員会

⑥並柳・中山エリア

１６．弘法山古墳

あがたの森公園をずっと南に下ったところの弘法山の山頂付近にある「弘法山古墳」です。3世紀から4世紀にかけて築造された前方後方墳で全長約63mあります。東日本の中では、もっとも古い古墳とされています。

弘法山古墳は、桜の名所としても有名で春は約4000本もの桜で山がピンク色に包まれます。訪れたのは冬だったため、桜も葉が落ちていて寂しい感じですが、春にあるとピンク色の桜並木のトンネルになります。

古墳の頂上まで登ると開けた場所が見えてきました。

古墳からは北アルプスを一望することができます。山頂からの眺望も抜群で、松本市街と北アルプスを桜とともに一望できます。ここはぜひ春に来たいところですね。

アニメでの登場シーン

作中では、翔が亡くなった未来で大人（26歳）になった菜穂達が訪れていました。最終話のラストでは、古墳から菜穂と須和が眺めるシーンで終わっています。

引用元：引用元：アニメ「orange」
©高野苺・双葉社／orange製作委員会

１７．中山小学校周辺

松本市中心部から塩尻方面に続く、県道63号を進んだ場所にある中山小学校周辺のエリアです。こちらのエリアは、松本中心部から離れているので、松本駅から出ているコミュニティバスを使うことをおすすめします。

　
中山小学校辺りまではずっと坂道になっていて、標高は約700メートルあります。

県道63号と県道287号線が交差している「中山小学校南交差点」です。翔がトラックに飛び込もうとした場所となります。

中山小学校近くから松本中心部を一望することができますよ。

アニメでの登場シーン

最終話で翔が自殺をしようとした場所となります。中山小学校のすぐ近くにある「中山小学校南交差点」のところでトラックに飛び込もうとしていました。菜穂達が翔を探して中山小学校の付近を探し回っていました。

引用元：引用元：アニメ「orange」
©高野苺・双葉社／orange製作委員会

聖地となっている場所に国宝や重要文化財に指定されている場所が多いので、観光しながら周ることができました。桜の名所を楽しむなら春に訪れたいですね。